技能実習制度とは??

「特定技能」と並んで話題に出やすいこの「技能実習(制度)」とは何か?

・技能実習生の目的は?
・技能実習1号・2号・3号の違いは?
・特定技能との関係や違いは?
・技能実習制度の現状は?

のような疑問、技能実習制度の概要について詳しくわかりやすく解説します!
(この記事は2020年8月21日に更新されました)

制度の目的

技能実習制度は、「日本で培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う『人づくり』に寄与することを目的として創設された制度」です。

つまり、日本に来た外国人に技術などを身につけてもらって、それで自国を発展させることが目的であるというです。

また、

①実習生が技能実習に専念でき、技能を取得するのに適した環境を確立すること
②技能実習は労働力の受給調整の手段として行われてはならない

ということが技能実習法で定められています。
そのため、技能実習生を安い外国人労働者として扱う(低賃金・長時間労働)など定められてることに遵守しなかった場合には許可・認定の取り消し、業務停止命令などの罰則があります。
この①②に関する技能実習制度の問題についてはコチラの記事で詳しく取り扱っています。

技能実習1号・2号・3号の違い

技能実習についての全体的な入国から帰国までの流れは以下のようになっています。

最初は技能実習1号。そして、2号、3号と段階を経ることが出来ます。


引用:JITCO

まず、講習(座学)を原則2ヶ月間実施します。 (ただし、入国前に一定の講習を受講している場合は1ヶ月以上)

これは、受入れ機関または監理団体にて行われます。 そしてその後、実習を行っていきます。 このときに、団体監理型の場合ならば監理団体による訪問指導・監査が入ります。 (監理団体・団体監理型については後述)

技能実習1号

技能実習1号は実習1年目の段階です。 この段階での目標は「技能検定基礎級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験及び学科試験への合格など」です。

そして、技能実習2号へ昇格するにはこのレベルの学科実技の試験を合格している必要があります。

対象職種には制限がありませんが、単純作業は対象外となっています。

また、次に紹介する技能実習2号移行対象職種(82職種146作業)に含まれていない職種である場合は、技能実習2号に移行することができないため、自動的に技能実習修了後(すなわち1年以内)に帰国することになります。

技能実習2号

技能実習2号は実習2、3年目の段階です。 この段階での目標は「技能検定3級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験への合格」です。

また、技能実習2号は職種が限られていて対象職種は82職種146作業あります。 なお、技能実習1号から2号へ移行する際には、職種・作業の変更はできず、同じ作業内容を継続するものとしています。

技能実習2号から3号への移行は技能試験のみで、学科試験は行われません。ただし、技能実習2号はそのまま3号に移行する以外にも「特定技能1号」へと移行する選択肢もあります。(特定技能についての詳細はコチラから

この場合にも、業種に制限があります。 つまり、特定技能において対象とされている業種でないと移行ができないため、すべての2号技能実習生が特定技能1号に移行できるわけではない点に注意が必要です。

技能実習3号

技能実習3号は実習4、5年目の段階です。 技能実習2号における試験を合格しているということを前提に、 この段階での目標は「技能検定2級又はこれに相当する技能実習評価試験の実技試験への合格」となっています。 そして、技能実習3号は2号よりも少し対象作業内容が減っていて、対象職種は74職種130作業となっています。(リンク先の△のついていないものが3号移行対象)

また、技能実習3号になるには、技能実習2号修了後、本国へ1か月以上1年未満の一時帰国をする必要があります。 さらに、技能実習3号に移行するには監理団体側の条件も加わってきます。

つまり、120点満点の審査項目のうち6割以上の点数を獲得でき、優良な監理団体・実習実施者と認められた場合のみ、3号技能実習生を受入れることが可能ということです。
審査項目一覧 13/43以降)

受入れ方式 ~企業単独型と団体監理型~

技能実習生には日本で技術を修得してもらうのですが、その受入れ先(勤務先)の方式によって「企業単独型」「団体監理型」に分類されます。

企業単独型

企業単独型の特徴は、その名の通り企業内で外国人のやり取りが完結します。 つまり、その企業の海外支店などから外国人を日本に招待し、自社内において技術などの習得を図るというものです。

このタイプは海外に営業所や支店などを持つことが前提となっているので、ある程度の規模がある企業でしか実施することができないため、少数派です。 実際、2018年末では企業単独型の受入れが2.8%と大部分が団体監理型であることがわかると思います。

では、その団体監理型とはどのような仕組みでしょうか??

団体監理型

団体監理型では、送出機関監理団体という仲介機関が連携して技能実習生を受入れる体制を整えています。 そのため、海外に拠点をもっていないような事業者であっても実習生の受入れが可能となるので、大部分の97.2%がこの団体監理型で受入れを行っています。

流れとしては、技能実習生候補者の目線で見ると

送出し機関に応募→受入れ企業と雇用契約→在留資格「技能実習」をもらう→ビザ発給→入国→(実習計画に基づく)技能実習開始、指導・支援を受ける

という感じです。

また、在留資格には「技能実習1号イ」「技能実習1号ロ」のように、どの段階の技能実習でも最後に「イ」または「ロ」がついていますが、これは企業単独型団体監理型による違いです。

つまり、企業単独型の技能実習生であれば「技能実習1号イ」団体監理型であれば「技能実習1号ロ」の在留資格となります。

さらにもう一つ監理団体に関する分類として、監理団体の許可には特定監理事業一般監理事業の2つの区分があります。

*印は前回許可期間内に改善命令や業務停止命令を受けていない場合の有効期限を示す

一般管理事業のほうが有効期限が長く、3号技能実習生を受け入れることが可能ということですね。

少し前の技能実習3号の話の補足として、3号を受け入れることのできる優良な監理団体とは、一般監理事業のことを指していたことがわかりますね。

技能実習と特定技能の違い

技能実習と特定技能の主な違いは以下の通りです。


技能実習の目的が「日本で技術を習得し、母国へ移転すること」特定技能の目的が「一定の専門性・技能を有する即戦力となる外国人の受入れ」ということを考慮すれば技能水準・入国時の試験・活動内容がこのように定められたことにも納得ができます。

技能実習の現状

そのような技能実習生は一体何人くらい日本で活躍しているのでしょうか? 以下は平成29年までの推移です。

平成29年時点では、約27万人もの技能実習生が日本で活躍しており、技能実習2号への移行者数が8万人を超え、増加傾向にあることが確認できます。

国別で見てみると以下の通りです。

平成30年度ではベトナムが過半数を占めており、次いで中国、フィリピンとなっています。 件数にしてベトナムが 196,732 件、中国が 89,918 件、フィリピンので35,515 件の技能実習生の登録がありました。

また、職種の内訳に関しては以下の通りです。

機械・金属関係が 18.7%、建設関係が18.3%、食品製造関係が18.1%とこの3職種が過半数を占めています。

人数の推移を見れば順調に進んでいそうな技能実習制度ですが、問題も存在しています。

それが、技能実習者の失踪です。

割合に大きな変化がなくとも、全体の技能実習生が増えていれば失踪技能実習生が増加していくことも当然です。 この失踪の要因は多く考えられますが、低賃金・長時間労働・パワハラ・セクハラ・労働環境の悪さなど、探せばいくらでもありそうです。

しかし、改善できるものも多いはずなので政府も問題を未然に防ぐために法律を改正するなどの対策を講じています。 これ以上状態を悪化させないように、政府に限らず技能実習制度に関わる人たちひとり一人がこの制度に対する理解を深めることが必要です。
(この問題についての詳細記事がコチラ

まとめ

•制度目的は技術等の移転、人づくり
•技能実習は労働力の穴埋め、安い人材という扱いではない
•技能実習1号は実習1年目、2号は2~3年目、3号は4~5年目
•「技能実習2号」から「特定技能1号」へ移行可能 (ただし業種制限あり)
•受入れ体制は企業単独型と団体監理型
•特定技能に比べ、技能実習は日本語・技能のハードルが低い(ビザの取得という観点において)
•技能実習生は年々増加傾向
•実習生増加に伴う失踪者増加も問題となっている

以上、技能実習制度とは?について解説させていただきました!

技能実習1号・2号・3号の違いや、混同しがちな特定技能との違い、2号技能実習生から特定技能1号への移行など、この記事を読んで理解が深まっていただけたら幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。