色々調べてもいまいちピンとこない・・・

特定技能って、ナニ??

この記事は

・特定技能の概要をわかりやすく知りたい!
・特定技能の資格を取得するための条件を知りたい!
・特定技能の現状を知りたい!

と思っている方に向けた解説記事となっています。
(2020年8月21日に更新されました。)

【背景】日本の現状とこれから

まず、特定技能の話に入る前にこの話は避けては通れません。
それは、「日本の労働人口について」です。


総務省HPより

みなさんご存じの通り、日本の人口、生産年齢人口は2008年をピークに減少、少子高齢社会へと転じ、これから人手不足が深刻な問題となってきます。いや、実際すでに問題となっています。

そこで、その人手不足を解消しようと提案されたのが「特定技能」というものです。
では特定技能の詳細はどのようなものなのでしょうか?

特定技能とは?

特定技能とは、日本に新たに導入された外国人労働者としての在留資格(いわゆる「就労ビザ」のひとつ)で、以下の14業種に対して導入されました。

介護 ビルクリーニング 素形材産業 建設
航空 電気・電子情報関連産業 造船・舶用工業 宿泊
農業 自動車整備 漁業 飲食料品製造業
外食業 産業機械製造業

そして、特定技能外国人を雇う・受け入れる会社は「受入れ機関」と呼ばれ、特定技能外国人を送り出す国は「送出し国」と呼ばれます。

また、特定技能は “特定技能1号”“特定技能2号”があります。
この1号と2号の違いは、かなり簡単に言うと「その分野に対してベテラン(熟練している)かどうか」ということです。

つまり、イメージとしては、ある一定の水準で働くことのできる方なら特定技能1号で、熟練の技術を持ったベテランの方なら特定技能2号です。ただし、特定技能1号にもそれなりの能力が要求されるので決して簡単に取得できる就労ビザという意味ではありません。

特定技能1号・2号の違いは?

先ほどは特定技能1号と2号の違いは、その特定の仕事に対する熟練度の違いということしか触れませんでしたが、ほかにも違いはいくつかあります。
それが以下の表の通りです。

まず、在留期間について。
1号では通年で最大5年と定められていますが、2号では上限がありません。

そして、日本語能力水準について。
特定技能1号では試験等が必要になりますが、特定技能2号では不要です。これは1号取得時に試験に合格しており、特定技能2号生は十分な日本語能力を有しているとみなされているためです。

しかし、ここでひとつ注意点があります。後にも記載しますが特定技能1号を取得する方法は技能実習2号から移行するという方法もあります。その方法で特定技能の在留資格を取得する場合は試験等が免除される場合があります。技能実習についてはこちらで解説しています!

次に、家族の扱いについて。
特定技能1号では家族の同伴は認められていませんが、特定技能2号になると家族(配偶子、子)の同伴が認められます。

また、これも大きな違いなのですが対象業種が1号と2号には存在します。
特定技能1号において対象業種は上段落で示した14業種が対象ですが、
特定技能2号における対象業種は建設造船・舶用工業の2種にしか対応していません。
(2020年8月21日時点)

では、どのような人がこの特定技能の資格を取得できるのでしょうか?

「特定技能」の取得条件は?

年齢が18歳以上

日本の労働法制上、18歳未満の労働者に関し、特別の保護規定を定めていることから、特定技能外国人についても18歳以上である必要があります。

健康状態が良好

その対象外国人が特定技能にかかる活動を安定的かつ継続的に行うことを確保する観点から、当該外国人の健康状態が良好であることが求められています。

一般的な検診項目が国によって異なることがあるので健康診断個人票の確認が必要です。

送出し国

特定技能で日本に来ることのできる外国人に国籍に関しての制限は原則ありません。

ただ、日本からの退去強制に協力しない国・地域からの受け入れは除外されています。
その国・地域に該当するのは2019年4月1日時点においてイラン・イスラム共和国のみです。

ただ、特定技能外国人の送り出し・受入れにはさまざまな手続きが必要となります。
そのため、日本政府との間で二国間取り決め(協力覚書)を締結している国については、送り出し国の政府が送出し機関を認定しているなどの取組みが行われているため、今後の積極的な受入れが見込まれています。

ちなみに、この二国間取決めというものは悪質な仲介業者の排除や情報共有の枠組構築を目的として締結されましたものです。

以下が二国間取り決めを締結した国です。

フィリピン カンボジア ネパール ミャンマー
モンゴル スリランカ インドネシア ベトナム
バングラデシュ ウズベキスタン パキスタン タイ
法務省HPより 2020年4月15日時点)

 

「特定技能1号」としての通年在留期間が5年以内

「通年」とは、特定産業分野を問わず、在留資格「特定技能1号」で日本に在留した期間をいい、在留資格「特定技能1号」で在留していた過去の期間も含まれます。

また、次の場合であっても通算在留期間に含まれます。

・失業中や労災、育児休暇及び産前産後休暇等による休暇期間
・再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)による出国期間
・「特定技能1号」を有する者が行った在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請中(転職を行うためのものに限る。)の期間
・平成31年4月の施行時の特例措置として「特定技能1号」への移行準備のために就労活動を認める「特定活動」で在留していた期間

遵守すべき手続きに関するもの

先ほども紹介した以下の国との間で遵守すべき手続きが定められている場合があります。
そのような場合は、定められている手続きを経る必要があります。

フィリピン カンボジア ネパール ミャンマー
モンゴル スリランカ インドネシア ベトナム
バングラデシュ ウズベキスタン パキスタン タイ
法務省HPより 2020年4月15日時点)

2020年6月11日時点で
カンボジア・インドネシア・ネパール・フィリピン・ミャンマー・タイ
との間において必要な手続きが法務省HPにて公表されてます。

技能水準に関するもの

1号特定技能外国人には、従事しようとする業務に必要な「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を有していることが試験その他の評価方法により証明されている必要があります。

そして、試験その他の評価方法は法務省のPDFにまとまっています。

例えば介護の場合・・・

技能水準は試験で評価される場合 「介護技能評価試験」に合格すれば技能水準があると認められます。(技能試験は原則的に学科試験と実技試験)

また、「介護福祉士養成施設修了」もしくは「EPA介護福祉士候補者としての在留期間満了(4年間)」を満たした場合は試験の合格と同等以上の水準を満たしたと評価されます。

このほかビルクリーニングの分野では実技試験として「写真・イラストを用いた判断試験」が採用され、学科試験が実施されないなど業種によって評価方法は多岐にわたります。

日本語能力に関するもの

1号特定技能外国人について、「ある程度の日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することを基本としつつ、特定産業分野ごとに業務上必要な日本語能力水準」を有していることが試験その他の評価方法により証明されている必要があります。

日本語能力を測る試験は「日本語能力試験」と「国際交流基金日本語基礎テスト」が認められています。

そして、この試験で1号特定技能の要件を満たすには、日本語能力試験において5段階で下から2番目の「N4」に合格する、もしくは国際交流基金日本語基礎テストにおいて6段階で下から2番目の「A2」(試験②)に合格する必要があります。

どのような問題が出されているのか、参考程度に下にURLを張っておくので興味のある方はぜひ。「言語知識・読解・リスニング」の能力が測られます。

日本語能力試験URL:https://www.jlpt.jp/
国際交流基金日本語基礎テストURL:https://www.jpf.go.jp/jft-basic/

もしくは技能実習2号終了

冒頭の方でも述べましたが、特定技能1号を取得するには技能実習2号から移行する方法があります。その場合は上記2つの技能水準・日本語能力に関して、技能実習2号を良好に終了していれば一定の能力があると判断され、試験は免除されます。

ただし、技能水準に関しては技能実習と特定技能の業務内容に関連があることを前提としています。

つまり、業種を変更せず技能実習2号から特定技能1号になる場合であれば、試験を受ける必要はないということです。

特定技能外国人が受ける支援

そんな特定技能ですが、日本に入国する前や入国した後にさまざまな支援が用意されています。

どのような支援があるのでしょうか?


出所:出入国在留管理局

上記が特定技能外国人が受ける支援です。
言い換えれば、特定技能外国人を受け入れる機関、もしくはその業務を委託された機関(登録支援機関)は上記の支援を行う義務があるということです。

改めて支援内容を説明すると、
まず、支援は特定技能外国人が十分に理解できる言語で行う必要があります。

そして、1号特定技能外国人支援計画を作成する必要があります。
その支援内容が以下の通りです。

・事前ガイダンスの提供について
・出入国時の送迎について
・住居の確保に係る支援について
・生活に必要な契約に係る支援について
・日本語学習の機会の提供について
・相談又は苦情への対応について
・日本人との交流促進に係る支援について
・非自発的離職時の転職支援について
・定期的な面談・行政機関への通報について

*住居の確保に係る支援は、物件情報の提供や不動産仲介事業者の紹介、必要に応じては同行するなどが含まれています。
また、賃貸契約の保証人となる必要があります。
ただし、保証人がいない場合には賃貸保証会社を利用することも可能です。

*生活に必要な契約に係る支援は電気・ガス・水道・銀行口座・携帯電話等の契約も含まれています。
外国人が日本で生活するにあたってこれらの必要不可欠な契約は、特定技能外国人の日本語能力を考慮すると、複雑でややこしい作業であると考えられるので適当な支援が必要とされています。

想定と現状

そのような特定技能ですが、現在どれくらいの人が日本にいるのでしょうか?

以下のグラフは、令和元年6月から令和2年6月までの全分野を合計した特定技能1号外国人数の推移です。

(出入国在留国管理庁HPより作成)

令和元年6月時点ではわずか20人でしたが、1年後には5,950人になっているのでこのグラフを見れば順調に増えているように思えます。

しかし、当初政府は初年度で受入れ人数を4万人程度と想定していました。令和2年6月の段階でも6,000人弱となっているので、予想をかなり下回る結果となっていることがわかります。

この特定技能外国人の少なさの要因は受入れ機関・送出し機関の手続きのわずらわしさや、制度の理解不足などによる準備の不十分など、指摘されている点が多いのが現実です。

ただ、政府側もこのような問題点・課題点に対して対策を講じるなどして、これらを改善しようとしています。

また、これらの問題とは別に2020年冬春頃から蔓延してきた新型コロナウイルスの影響で試験が予定通り受けられなかったり、入国予定のはずが中止になってしまったなどのニュースも多く見られるので、コロナウイルスがどれほど受入れ人数に影響を与えるのかも心配されています。

これらに対しても「特定活動」の在留資格変更許可を与えるなどの対応を行っていますが、どれほど影響を軽減できるのかは定かではありません。

まとめ

•特定技能外国人になれる人の条件はざっくり言うと次の通り
18歳以上、健康、イラン・イスラム共和国以外の国籍、
「特定技能1号」としての在留期間が通年5年以内、遵守すべき手続きを守っている、
技能・日本語能力が証明できる人
•当初は初年度で約4万人の受入れを想定していたが、令和2年6月の段階でさえ合計約6,000人弱と想定よりも低い
•原因は受入れ・送出し機関の準備不足などいくつか挙げられる

というわけで、今回は特定技能とは何か?ということについて説明させていただきました!

14業種もあり、それぞれで手続きが異なっていたり、必要な書類・試験等が異なっていたりと非常に複雑な制度ですが、今後の日本の状況を見ていくと外国人労働者が増加することは必然のことのように思えます。

「特定技能」に対する理解がこの記事で深まっていただけたら幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました!